ペットリフォームのポイント
人とペットが楽しく共存できる住まいに
現在、日本では892万頭の犬、952万6千頭の猫が飼育されているといわれています(日本ペットフード協会 平成29年(2017年)全国犬猫飼育実態調査より)。
犬と猫ともに室内で飼われているケースが大多数で、ペットは家族の一員となっていることが伺われます。ペットも人も快適に暮らせる空間にするために、どんなことに注意をしたらいいか、リフォームのポイントをご紹介します。
※2018年12月現在の情報です。
滑りにくい床材を選ぶ

一般的なフローリングは犬には脚が滑りやすく、関節疾患の原因となります。そこでいくつもの建材メーカーで、ペット対応の床材が開発されました。滑りにくく掃除がしやすく耐久性も高いのが特徴です。木質系やタイル系など、色や素材にもバリエーション豊富。
壁は傷や破損に強い素材を選ぶ
通常の壁紙だと、犬や猫の爪でぼろぼろに傷ついてしまいます。ひっかき傷などに強いペット対応の壁紙も内装材メーカーで発売されています。
また犬や猫の脚が届く範囲の腰壁には、比較的堅い木質建材を張り、その上は普通の壁紙で仕上げるという方法も有効です。
調湿・脱臭にも配慮を

近年、ペットの臭い対策としてよく採用されているのが、調湿・脱臭機能のあるセラミック系の建材です。表面に無数にある微細な孔に湿気や臭いの成分を吸着させることで、臭いが広がるのを防ぎます。壁面や床など貼ると効果的。
冷暖房や換気を改善する

犬や猫の活動範囲は主に床から10数cmから数10cmほど。室内の汚れた空気は下に溜まるので、床に近い位置にいるペットはその影響を受けやすくなります。空調機器を交換したりして室内の空気環境を改善したり、床暖房を採用して室内全体が均一な気温になるようにするといいでしょう。
習性に適した環境にする
猫は高いところに居場所をつくる

猫は高いところに上るのが好きなので、階段や梁などを伝って歩けるようにしてあげるといいでしょう。一方、犬は飼い主家族と一緒に過ごすのが好きなので、リビング近くにケージの置き場を用意してあげると喜びます。また、犬は穴倉のような天井の低い場所を好むなので、カウンターの下などに居場所をつくると安心します。
ペットがいじれないように工夫する
犬や猫にひっくり返されないように、ゴミ箱は扉付きのキャビネットの中に収納しましょう。また、電気製品のコードをかじらないよう、コンセントは高い位置にするか、コンセントカバーを使って保護。食品を収納するパントリーも扉付きにすれば、ペットが手を出せません。
玄関先にペット用水栓を設置
玄関先にペット用水栓を用意しておけば、散歩帰りにさっと汚れを洗い流せます。天候のいい時期には屋外でシャンプーも可能。さらに玄関回りに猫のトイレ用の砂やフード類、犬の散歩用品など、ペット用のグッズを収納できるスペースをつくると便利です。
ペット対応リフォームのまとめ

犬、猫とも種別や性別、また個体ごとに習性は異なります。人もペットもお互いにストレスなく一緒に暮らすためには、その傾向、特徴を理解することが大事。上記の注意点をうまくリフォームプランに盛り込みましょう。